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吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章

2018年秋の褒章において、吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章しました。
(以下東京工業大学ホームページより転載)

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高橋栄一名誉教授、吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章

2018年秋の褒章において、高橋栄一名誉教授、物質理工学院 応用化学系の吉田尚弘教授が紫綬褒章を受章しました。

紫綬褒章は、学術研究や芸術文化、技術開発において功績をあげた者に贈られるものです。

高橋栄一名誉教授
経歴


news_20413_1_aim4eab0.jpg高橋名誉教授

高橋栄一名誉教授(2017年4月称号授与)は、1974年に東京大学理学部地球物理学科を卒業、1979年に同大大学院理学系研究科地質学専門課程博士課程を修了し、理学博士の学位を授与されました。

その後、1979年米国カーネギー研究所ポスドク(PD)研究員、1981年岡山大学温泉研究所助手、1988年東京工業大学理学部助教授を経て、同大理学部に新設された地球・惑星科学科の教授に1994年に就任し、2009年に評議員、2013年には附属図書館長となり、2016年の改組により理学院教授となりました。

この間、文部科学省科学研究費補助金特別推進研究「ホットスポットの起源」代表者(2000-2004年度)、文部科学省21世紀COEプログラム「地球:人の住む惑星のできるまで」拠点リーダー(2004-2008年度)、文部科学省科学研究費補助金新学術領域「地殻流体」領域代表(2009-2013年度)などを務めました。

2017年に本学を定年退職後、中国科学院広州地球化学研究所特別教授として、5年間の予定で中国の科学者との共同研究および若手教育を継続中です。このたびの受章はこれらの実績が認められたものです。

コメント

紫綬褒章の受章理由となった研究は、高温高圧実験を用いたマグマ起源研究、深海調査に基づくハワイのホットスポット火山研究、超高圧発生装置の開発とそれを用いた地球深部ダイナミクス研究、内熱式ガス圧発生装置の開発とそれを用いた日本列島活火山研究などです。東工大在職28年間の前半は、実験装置の開発とそのセットアップに多忙でした。後半は各種世話役の仕事が増えたことで加速度的に忙しくなり、自ら実験することができなくなりました。したがって、高橋研究室から育った多くの研究者が、火成岩岩石学、地球深部科学の2つの分野で日本並びに世界の研究をリードしておられることが何よりの誇りです。三島良直前学長のお取り計らいにより、開発した高圧実験装置の一部を東工大から中国科学院に寄贈いただき移設することができました。残された時間は多くありませんが、中国では自ら率先して実験し、研究の上で光るものを残したいと願っています。


吉田尚弘教授
経歴

news_20413_2_aim4eab0.jpg吉田教授

吉田尚弘教授は、1983年に本学大学院理工学研究科博士課程を単位取得満期退学後、三菱化成生命科学研究所特別研究員となり、1984年に理学博士の学位を授与されました。富山大学理学部助手、助教授を経て、1994年に名古屋大学大気水圏科学研究所助教授となりました。1998年に東京工業大学大学院総合理工学研究科教授となり、2002年に本学フロンティア創造共同研究センター教授を経て、2013年本学地球生命研究所主任研究員を兼務し、改組により2016年本学物質理工学院教授となりました。

この間、学内では理事・副学長(研究担当)総括補佐、研究戦略室副室長、環境エネルギー機構副機構長などを務めました。学外ではAtmospheric Chemistry & Physics(アトモスフェリック ケミストリー アンド フィジックス)誌やGeophysical Research Letters(ジオフィジカル リサーチ レターズ)誌の編集長、日本学術振興会学術システム研究センター研究員、日本学術会議連携会員、日本地球化学会会長を歴任し、現在は国連環境計画 GEO-6科学パネル委員、日本学術振興会国際事業部委員、国際アイソトポマー会議主宰などに従事しています。また、今年12月には米国地球物理学連合フェローに就任予定です。これらの長年の教育研究への多大な貢献が評価され、今回の受章に繋がりました。

コメント

環境学の研究教育が評価され、望外の栄誉を賜りました。環境学は優れて垣根のない学問ですが、専門性とともに学際性も問われるので、感慨深くこの栄誉をお受けします。一分子に多数存在する安定同位体化学種(アイソトポマー・アイソトポログ)という共通指標を発見して、時空間にとらわれない、地球環境物質の起源解明に適用する研究スタイルのため、発見が多くあり、研究することが増える一方です。ご評価いただいた方向性の研究を次世代の方々とともに、より推進したいと気持ちを新たにしています。

本受章は恩師、研究室の仲間と約200名の学生、数多くの国内外の共同研究者、政府系研究支援機関、および本学の皆様のご協力の賜物です。これらの方々、および、この他にも本当に数えきれない多くの方々からお力をいただいています。ここに記して心より厚くお礼申し上げます。