2015年11月3日(火・祝)に地球生命研究所 新棟ELSI-1 (石川台7号館)にて、第3回ELSIトークライブを開催しました。
今回は、地質学を専門に研究をしている佐藤友彦研究員が「生物進化の起源にせまる!」というタイトルでお話をしました。
10代~80代の幅広い年齢層の方々にご来場いただきました。
トークライブは、「綱 (恐竜が鳥類へ進化)」「科 (猿から人へ進化)」「種 (フィンチのくちばしの進化)」と進化には色々なレベルがあるという解説から始まりました。
続いて、佐藤研究員がフィールドワークへ赴いている中国雲南省澄江(Chengjiang)のお話をしました。この地域には、リン酸塩岩が大量に存在しています。そして、カンブリア爆発に先駆けて小型化石(small shelly fossils)が多く保存されていることでも注目されています。
リン酸塩岩を手に取り観察する来場者
休憩をはさんだ後半では、佐藤研究員が今、まさに研究を進めている「ガボン化石」についてのお話をしました。
ガボン化石とは、2010年に西アフリカのガボンで発見された4cm~17cmの化石です。今まで5cm以上の大きな化石は、5億8000万年前の「エディアカラ生物」が最古であると考えられていました。しかし、ガボン化石はその遥か昔、なんと21億年前の化石で、その大きさや形態の複雑さから多細胞生物だったのでは?と考えられています。
6億年前の「カンブリア大爆発」と21億年前の「ガボン化石の誕生」時の共通点の仮説を説明する佐藤研究員
佐藤研究員は、カンブリア大爆発やガボン化石の誕生を引き起こした「多細胞生物となるための条件」が解明できれば、宇宙の他の星でも多細胞生物の存在が見つけられるかもしれない。それが出来るのは、色々な分野の研究者が集まっているELSIならではと語りました。
休憩時間にアノマロカリス折り紙を楽しむ来場者ら
緻密に書き込まれたフィールドノートを熱心に見る学生ら
今回のトークライブでは、佐藤研究員の仮説段階の内容が多く含まれた為、来場者アンケートでは「研究に進捗があったら是非、またトークライブをしてほしい」というご要望をたくさんいただきました。
ELSIでは、今後も皆様のご期待に沿えるようなイベントを開催いたします。
第4回ELSIをどうぞ楽しみにお待ちください。