7月16日、東京工業大学で行われている最先端研究のダイナミズムを紹介する新しい講演会シリーズである "Tokyo Tech Inspiring Lecture Series" が開催されました。シリーズ第1回目となる今回は、"Origins:Earth and Life" ~Science at ELSI~ と題し、生命惑星学の世界的研究拠点を目指す「地球生命研究所(ELSI)」をハイライトし、研究所の主任研究者でもある2009年ノーベル生理学・医学賞受賞者Jack W. Szostak教授や所長の廣瀬敬教授ら4人の世界トップレベルの研究者が、それぞれの専門分野の視点から「地球・生命の起源と進化」の研究最前線を講演しました。
講演会には、会場の東工大蔵前会館くらまえホールの定員340名を超える事前申込があり、また当日参加者も多数来場しました。参加者層も幅広く、高校生から社会人の方まで多くの方にお越しいただきました。講演は英語(同時通訳あり)で行われたこともあり、登壇者も参加者も国際色豊かなものになりました。
2009年ノーベル生理学・医学賞を受賞したJack W. Szostak 教授の講演
地球生命研究所は、地球の起源・進化の研究から得た初期の地球環境をもとに、生命起源の謎を解くことを目的とし、地球科学・惑星科学・生命科学の研究者が集まって研究を進めています。
今回は各分野を代表する4人の研究者が講演を行いました。
1.細胞型生命の起源
東京工業大学 地球生命研究所 主任研究者
ハーバード大学メディカルスクール 教授
Jack W. Szostak 教授
2.太陽系外の地球の仲間たちや生命を探して
ハーバード大学
生命起源イニシアチブ(ELSIサテライト) ディレクター
Dimitar Sasselov 教授
3.水と海の起源
東京工業大学 地球生命研究所
教授・所長
廣瀬 敬 教授
4.火星VS地球 ~生命の起源に惑星が与える制約~
東京工業大学 地球生命研究所 主任研究者
カリフォルニア工科大学 卓越教授
Joseph L. Kirschvink 教授
講演後に行われた質疑応答では、「生命の定義って何?」「生命誕生に必要な条件は?」など、たくさんの質問が飛び出し、大いに盛り上がりました。英語での質問に挑戦する学生や、イベント後、各教授に直接質問を投げかける高校生たちの姿もみられました。
様々な角度の質問に柔軟に答える教授たち
今後も東工大の最先端研究をご紹介する "Tokyo Tech Inspiring Lecture Series" を開催予定です。どうぞご期待ください。