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ELSI Origins Network(EONプロジェクト) の年次総会が開催されました

地球生命研究所EONプロジェクトでは、1月5日~6日に神奈川県の小田原にて年次総会を開催いたしました。

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EONプロジェクトは、米国ペンシルベニア州フィラデルフィアにあるアメリカの慈善団体・ジョンテンプルトン財団より、多額の競争的研究資金獲得に成功し、2015年7月1日に発足、33か月間活動してきました。

このプロジェクトは、地球生命研究所主任研究員(参与)であり、アインシュタインや湯川秀樹が在籍し研究していた米国プリンストン高等研究所(The Institute for Advanced Study)にも籍を置くPiet Hut教授が約2年の月日を費やして発足させました。EONプロジェクトの第一期への資金提供は2018年3月31日まで実行されます。

国立大学法人東京工業大学地球生命研究所(通称ELSI「エルシィ」)は、2012年12月に文部科学省の世界トップレベル研究拠点プログラムとして採択され、設立されました。2015年には、新棟も設立され、現在では、2つの研究棟にて総勢約50名の研究者とポスドクが生命の起源に関連する、惑星科学、地球物理学、化学、生物学、物理、複雑系科学、コンピューターシュミレーションなど多岐にわたる研究を行っています。

EONプロジェクトは、今までなかった一貫性のある永続的なグローバルネットワークを確立し、生命の起源という謎を解明するために作られました。多岐の分野に渡る研究から下記の3つの問いに挑戦しています。

  • ・生命はどのようにして地球ではじまったのか?(How did life arise on Earth?)
  • ・宇宙に生命体はどのくらい存在するのか?(How common is life in the Universe?)
  • ・どのような基本原則によって生命の出現を解明できるのか?(What fundamental principles explain the emergence of life?)

EONプロジェクトは、生命の起源に関する研究のため、ELSIを中心として、現在500名を超える研究者を擁する世界的な学際的ネットワークを作り出しました。そのゴールとは、分野の異なる科学的アイディアを皆で持ち寄り、更なる展開を見つけ、謎を解明していくという世界的規模の共同研究コミュニティを形成し、次世代へ多くの分野における認識や疑問を残手渡すことです。

EONプロジェクトは、ELSIのゴールである、日本におけるグローバル化、世界レベルトップレベルの生命の起源についての最先端の研究ができる研究所としての役割を担っています。

世界から第一線の研究者が集まる「目に見える研究拠点」を形成し、日本の科学技術水準を維持、向上させていくため、果敢な挑戦を続けています。(WPIより抜粋)

今年のEONプロジェクトの年次総会には、国際的に活躍する55名の研究者が集合しました。

うち12名のEONポスドク研究員による、研究成果発表、意見交換会などが行われました。大変有意義な時間を過ごしたことで、更なる新しいアイディアや共同研究が進むでしょう。

EONポスドク研究員の任期は丸二年で、その間、ELSIと海外の研究所を行き来しました。海外の研究所は以下の通りです。

  • ・米国ワシントンカーネギー協会(the Carnegie Institution of Washington)
  • ・アメリカ航空宇宙局ゴダード・フライトリサーチセンター(NASA Goddard Space Flight Center)
  • ・アメリカ航空宇宙局エイムズ研究センター(NASA Ames Research Center)
  • ・(米)カリフォルニア工科大学(CalTech)
  • ・(米)エモリ―大学(Emory University)
  • ・(米)南カリフォルニア大学(the University of Southern California)
  • ・(米)カリフォルニア大学サンディエゴ校(the University of California, San Diego)
  • ・(米)ラトガーズ大学(Rutgers University)
  • ・(英)ケンブリッジ大学(Cambridge University)
  • ・(墺)ウィーン大学(the University of Vienna)
  • ・(丁)南デンマーク大学(the University of Southern Denmark)
  • ・(仏)(the ISIR, Université Pierre et Marie Curie)

今年の年次総会には、EONプロジェクトのアンバサダーである、「グローバル・サイエンス・コーディネーター(GSC)」にも参加いただきました。GSCの主なメンバーは、NASAアメリカ航空宇宙局、ワシントン本部の幹部、NASAジェット推進研究所(JPL)、コロンビア大学、ハーバード大学など第一線で活躍する研究者です。研究員の採用や宣伝の分野において、重要な役割を担ってます。

また、EONプロジェクトの役員の一人である、Marcelo Glaser教授 (Dartmouth University)による基調講演も行われ、有意義な総会となりました。

EONプロジェクトは本年3月31日をもって終了となりますが、第二期にむけて、更なる企画を進めていくことになりました。今後の活動にご期待ください。

[関連リンク]

東工大ニュース「地球生命研究所 EONプロジェクト年次総会開催報告」