福島県立磐城高等学校の生徒のみなさん10名がELSIを訪れ、望月研究員によるレクチャー、そしてそれらの研究が日々行われている、実験室見学などが行われました。磐城高校は文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH校)の指定を受け、科学技術に対する興味や探究心を高める教育に積極的に取り組まれている学校で、企業や研究機関での研修カリキュラムとしてELSIを訪問されました。
なかでも目玉は、研究員の望月さんが筆頭著者である英語原著論文の、著者自身による解説入りの購読チャレンジ。高校生は事前に渡された英語論文のabstractの部分だけを何とか自力で読み、当日の見学を迎えました。
望月さんによる論文の背景を解説するレクチャーが終わった後、まずは高校生が一段落自力で論文を読み、そのあと望月さんが解説する、というプロセスを繰り返していきました。ただし、一段落ずつとはいえいきなり英語の論文を読むのはさすがにスーパーサイエンスハイスクールの受講生と言ってもハードルが高いだろうと、なんと望月さん特製オリジナルの「自分の論文の理解を助ける解説資料集」が作成され、生徒一人ひとりに配られました。
高校生は我々が想像していた以上に意欲的で優秀でしたが、それでもこのハードルを乗り越えられるかどうか私たちも不安でした。しかし、見学プログラムの最後に参加者にもう一度abstractを読んでもらい、理解度を比較したところ、後者の方があきらかに高くなっていました。望月さんも、このプログラムをアレンジした広報担当者も、実施した甲斐があったとほっと胸をなでおろしました。
ウイルスについての講義を楽しんだ生徒たちからはその後、研修の成果として学内で発表し合ったプレゼン資料をご送付いただきました。
英語の論文読解という経験は生徒たちに新たな気づきをもたらしたようで、とても良い経験ができたとの感想もいただきました。
ELSIでの受け入れ可能な見学回数・人数には限りがありますが、今後もできるだけこのような「見学体験」の機会を提供し続けたいと思います。
ELSI見学のごあんない