(以下は東京工業大学ウェブサイトからの転載です。)
NASAからメアリー・ボイテック氏が学長特別補佐、地球生命研究所エグゼクティブディレクターに就任
国際教育研究拠点形成を目指したシステム改革の推進
2018.11.29
東京工業大学は、アメリカ航空宇宙局(以下、NASA)アストロバイオロジー、惑星科学部門のシニアサイエンティストのメアリー・ボイテック博士を、学長特別補佐および地球生命研究所(以下、ELSI)のエグゼクティブディレクターに任命しました。
本学初となる外国人研究者の学長特別補佐であり、ELSIエグゼクティブディレクターとなるボイテック氏の就任は、指定国立大学法人の指定を受けた本学が国際水準のガバナンス体制を実施し、国際連携を推進している一端を示すものです。
メアリー・ボイテック博士
ボイテック氏は、アストロバイオロジーおよび関連分野の世界的な担い手であり、米国の研究事情に精通し、幅広い海外機関や研究者とのネットワークを持っています。また、米国科学行政への寄与も大きく、長きにわたり重要なNASAプログラムを運営してきた多くの経験と実績を有しています。
同氏は就任にあたり、「真に学際的な研究を行っている活気にあふれた研究コミュニティで働く機会を得たことは、大変光栄であり、日本政府の支持により実現された文部科学省世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)を実施しているELSI及び東京工業大学に関われることは、とても幸運だと感じている」とコメントしています。
学長特別補佐として、本学の長期目標である「世界最高の理工系総合大学の実現」に向けて、ELSIでの経験を基に、世界最高水準の教育研究環境を整備し、世界各国の優秀な研究者からなる共同研究ネットワークを構築すると共に、海外機関との教育研究連携や資金獲得等に係る戦略を実行していくための役割を担い、的確なアドバイス、情報提供、コーディネートに手腕を発揮します。
また、同氏がエグゼクティブディレクターに就任したELSIは、地球惑星科学及び生命科学分野の世界一線級の研究者を結集し、学際的な統合アプローチによって「地球と生命の起源」を探る極めてユニークな研究機関で、世界最高レベルの研究水準・融合領域の創出・国際的な研究環境の実現・研究組織の改革をミッションに、学内で先行してシステム改革を実施しています。研究所内の公用語は英語とし、また日本の標準的な研究体制である講座制ではなく、一人一人の研究者が独立して研究を実施しており、分野ごとのゆるやかなユニットを形成し、融合研究が推進しやすい取り組みや研究者が研究に専念できる環境づくりを行っています。
メンター・メンティー制度の導入による研究評価、外国人生活支援サポート、URAによる研究費獲得支援など、これまでにないシステムを導入し、また海外機関・研究者とのネットワークを築いてきました。これらのシステム改革による国際的な研究環境により、ELSIに在籍する研究者の半分以上が外国人です。。
ボイテック氏には、ELSIエグゼクティブディレクターとして、システム改革をさらに推し進め、世界各国からの優秀な研究者、外部研究資金の獲得などにより、 ELSIが世界に開かれたトップレベルの研究拠点を実現するために貢献します。11月1日には、ボイテック氏がリクルートした、4つの欧州機関でサイエンスコミュニケーションマネジメントを行っていたシィリーナ・ヒーナッティガラ氏が、ELSIの広報ディレクターとして就任するなど、国際広報の強化に着手しています。また新たな試みとして、ELSIに在籍している主任研究者の研究評価を、海外の有識者・専門分野で著名な方々に評価してもらう試みも開始しました。
創立150周年を迎えようとする2030年に世界トップクラスのリサーチユニバーシティを目指している本学にとって、同氏が本学の一員に加わることは、他に先んじて積極的にガバナンス改革に取り組んできた本学がその実現に向けてより一層改革を推し進めるための重要な第一歩となります。 本学の今後の取り組みにご期待ください。