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84 東京での不思議な感覚

ArturoIMG_0324.jpgまず、私は科学者ではなく、アドバタイザーから哲学者と科学コミュニケーターに転身した者であることを伝えておく。その転身は東京のELSIへの来訪と同じくらい素晴らしい冒険であり、ベストな方向転換をしたと思っている。私は東京に行ったことが一度もなかった。私にとっては、伝統文化の神秘的な感覚と、技術的・科学的発展の複雑な混合を経験するというとてつもない冒険となった。見事な庭園、噴水、公園(そこでは人々が静かにリラックスした時を過ごしている)に囲まれた神社やお寺をはさんで未来的な高層建築がそびえ立っている。私たちにとって共通のものである科学技術により、私たち人間は3つの異なる環境の空間と時間を行き来することが、ある程度可能になった。すなわち自然界、抽象化された国家/都市、仮想空間である。これらのすべてが、私に平穏で不思議な感覚を残した。

私は第3回国際ELSIシンポジウムでこれと同じ感覚を覚えた。その理由を説明する。生命とその進化についての多様な視点を見るときに、真実の理論という意味ではなく、私たちの周りの宇宙を、より広範かつ深く表現する最良の方法として考えることは非常におもしろい。私の視点から見ると、この知識の多様性は、より広範な聴衆に科学を伝えるための場を作り出すことができる。サイエンスコミュニケーターは民主的かつ水平的な方法で、人々からの疑問や驚きの気持ちを汲み取り、伝える必要がある。テクノロジーは科学者や科学コミュニケーターとしての私たちの仕事の一助となるかもしれないが、私たちの活動の感情的な部分、および感性や文化の伝統が知識の多様性に貢献してきたことを忘れてはならない。そうすれば、私たちはもっと深く、人間的に宇宙を捉える術(科学的および文化的信念を統合できるもの)を持つことができる。

最後に、哲学者の私に、宇宙だけでなく文化の伝統や多様な見方の絶妙な多様性についての知識を広げる機会を与えてくれた、ELSIの親切でスマートで興味深い人々に感謝したい。

それではまた。

Arturo Rubio

ojodecain@mac.com