フランスには「apéritif(アペリティフ)」(略して「apéro」)の伝統が深く根付いている。食事を始める前に、スナック、オリーブ、saucisson(ソシソン、ソーセージの一種)などを食べながらワインやビールの他、あらゆる種類の飲み物を楽しむ。主な目的は食事の前に食欲を刺激することだと思う。特別な日だけではなく、ふだんの日でもリラックスしたいときなどに飲む。 ELSIにも似たような伝統があり、毎週金曜日の夜に行われている(私たちはIzakaya ELSIと呼んでいる)。1年ほど前にChristine HouserとJohn Hemlundが始めたものだ。
ELSIは非常に国際性に富んでいるため、このイベントは、メンバーにとってお互いの文化を共有し、新しいものを発見する絶好の機会になっている。時々、特別なイベントを祝ったり、外国の食べ物や飲み物を楽しんだりできるよう、テーマを決めてIzakaya ELSIを開催することがある。フランス人の私としては、これらの特別なイベントの一環としてフランスのチーズとワインをELSIのメンバーに紹介しない手はなかった。
私はELSIで初めてチーズ&ワインパーティーをしたことを覚えている。当時、ELSIははるかに小規模で、そこにいたのは3〜4人だけだった(実際には非常に非公式なものだった)。数ヶ月後-私の記憶が正しければ5月-フランスの研究者が訪問したときに、同僚と食事の伝統を分かち合った。これがELSIで初めての公式のワイン&チーズパーティーとなった。そのパーティーがうまくいったので、また別の機会に開催することになり、そのパーティーが数週間前に開催された。実際には、形は特に洗練されたものではない:ワインとチーズと人だけだ。しかし、素晴らしい雰囲気とコミュニケーション空間は、そのイベントをとても特別なものにする。その夜のテーブルを見ると、良い人と食事だけではなく、チーズやワインのボトルがテーブルの上に広がる美しさに幸せな気分になったことがわかった。私はこれが日本とフランスの人々が共有するものだと思う。食事は口だけでなく、目にも良いものでなければならない。
今年のELSIの成長に伴い、フランス語を話す人が数人(約半数は非ネイティブ!)加わった。彼らはみんなワイン&チーズ委員会(我々が非公式にそう呼んでいる)の仲間だ。この委員会のおかげで、この種のパーティーが学期毎のイベントになりそうだ。 ELSIは、様々な分野の多くの研究者が共存する場所だ。研究分野が私たちのものとは遠く離れている人と対話するのは難しい場合もあるが、私たちのワイン&チーズ委員会(WCC)の働きにより、さらに良いつながりができると信じている。
ラテン語にvino veritas(「ワインには真実がある」)という言葉がある。私はまだ生命や地球の起源についての真実を発見していないが、追求し続けている。