モンゴルでのいつもの朝...私は自分で身支度をして、空港で大切な人たちの前で泣くこともなく、さよならを言った。しかし悲しみと同様に日本での新しい旅で何が待ち受けているだろうと思うと期待が膨らんだ。正直に話すと、日本に来るまで私は日本のことについて「相撲」「緑茶」「地震」くらいしか知らなかった。だからこそ日本に来てもっと発見し、新しいことを学び、新しい環境に身を置く決意をした。
「カルチャーショック」というのは外国に移住する人には避けられないことであるが、私も体験した。しかしだんだんとモンゴルと日本の文化の違いを理解しようと適応していくようになり、お互い異なる社会の良いところを分かろうとした。ここでの2年間の学生としての日々は、日本を1語で表せと言われたら、「BUSY(忙しい)」だろう(笑)。東京工業大学は日本でも名門校のひとつで、特にエンジニアリングの分野では名高い学校だ。そして多くのやりがいのある活動が盛んに行われている。
忙しい学生生活を通して、多くの新しいことを学んだ。振り返ってみると、モンゴルの家では両親が何でもやってくれた。そんな少女のころから比べると、だいぶ自立してきたと思う。それでも毎日学ぶことがあり、いろいろな意味で個人的に成長しようと努力している!日本が最適な場所だということは間違いない!さて、私がELSIに行ったときの話をする。
私がELSIの建物を最初に訪問した日、1階のインテリアが私の目に留まった。「すごい」インテリアだ!私は個人的にデザインに興味があったので、ただのインテリアながら、独自性とグローバルな雰囲気を漂わせるセンスに感動した。モンゴルでは、こういうことわざがある。「扉や入口がどう建てられたかで、あなたの成功は決まる」。このことわざ通りなら、どうか「成功」になりますように!
ELSIの人たちは1階の快適なオープンスペースでミーティングをしたり、昼食をとったり、お互いにアイデアを話し合ったりする。様々な科学の分野の、世界中から集まった研究者や教授たちがELSIに集まり特別な相乗効果を作り出し、「どのように生命が始まったか」という私たちのもっとも根本的な質問の答えを追い求めている。
個人的には私はいつも興味が多岐にわたった。専攻を決めて、集中して勉強するということが難しかった。何を勉強するのも楽しかったのだ。いろいろ考えて、自然科学と社会学の両方を専攻することに決めた。
自然科学ではMasahiko Hara教授のもとで、ELSIで生命の起源について学習することを決めた。私がELSIのことを初めて聞いたのはMasahiko Hara教授からだった。私はこの4月から大学院生としてELSIの研究グループに参加し始めたばかりだ。今まで知らなかったことを理解する困難さに直面していること以外は、惑星、地質学、ライフサイエンスといったELSIを代表する様々な科学について楽しく学んでいる。
生命の起源の研究に新しく参加したことに加え、私は「国際開発工学」という厳しい科目を専攻している。この分野で分析力を磨くことができ、私がモンゴルで選んだ仕事の役に立っている。私のエンジニアリングの知識をベースに、社会科学、特にグローバルな開発問題について修得し、科学やテクノロジーがどのように社会に適用されるかについての知見を広げていきたい。こういった刺激を受け、スキルを磨いて、将来モンゴルの開発に貢献したいと思う。
私はELSIでの新しい旅にワクワクしている。異なる分野を勉強できるだけではなく、もっと自立心を持ち、世界に対する好奇心をELSIの国際的で学際的な研究スタイルから身に着けることができるだろう。私にとってELSIはすべての科学の宇宙のような存在だ。